◆中途半端に「外部要素」を取り込まない。
・これは改修計画の成功の可否を担っている要素といってもいいかもしれませんが、内部環境創造型の計画とする場合に気をつけなければいけないのが・・ついつい「外部空間」もなるべく取り入れようとしてしまうこと。
「いいとこ取り」をすれば、もっとよくなる・・という思いから、そのような計画を望みがちなのですが・・。
実際には、よほど条件がそろっていない限り「失敗」に繋がってしまうケースが多いものです。
というのも、「外部環境」と「内部環境」とを比較できる場を作ってしまうことになるため、そのギャップが大きく感じられてしまう効果を生んでしまうのです。
本当はそこそこ雰囲気のある「外部景観」であったとしても、しっかりと創り上げた「内部空間のイメージ」が良いものであればあるほど・・「外部の景観」が残念な要素として、心に残りやすくなってしまうのです。
また同時に、「外部景観はこんな感じなのに・・」といった印象が、内部空間のデザインやイメージを人工的なものとして印象づけてしまうのです。
これではせっかくの「内部空間イメージ」が台無しに・・。
ちょっとした心理的な要素が実は大きな印象に繋がってしまうことは、しっかりと認識しておきたいところです。
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◆「玄関」〜「廊下」〜「客室」までのイメージを統一
・「客室」だけ、「和モダンなイメージ」へと集中的に改修を施す・・というケースも見受けられますが、旅館の印象を決定づけるのはあくまでも、「内部空間のイメージバランス」なのです。
特に、宿泊客の動線となる・・「玄関」から「廊下」・・そして「客室」へとつながる一連の流れの中に存在している空間イメージがバランスのとれているものとなっていることはとても大切な要素となります。
バランスがとれていることを前提として、「あるポイントにアクセントとなるイメージを待たせる」ということが好印象を生み出すのです。
◆1−1) 自然環境融合型とは
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