TOP 業務内容 STAFF LINK お問合せ

 

旅館・宿の改修設計ポイント > 自然環境活用の可否

■旅館の改装計画のポイント/自然環境活用の可否

・観光地の旅館など宿泊施設の改装・リフォームを考える上で、その「立地環境」「周辺自然環境」を十分分析・検証した上で、旅館の空間設計に生かしていくことはとても大切な要素となります。

ここでは、「改装計画」の最初のステップとなる、「自然環境・周辺環境」に関して私が考える・・大切な要素についてお話したいと思います。


 


 

■自然環境と景観の区別

・温泉観光地の旅館などの場合、当然のことながら大自然豊かな立地環境を有していることが多いものです。「雄大な山々が背景にあったり」「渓流の流れる音が空間を満たしていたり」と自然環境に恵まれているがゆえに、「観光地」として成り立っている地域も多いのではないでしょうか。

そんな場所で営んでいる「旅館など」の改修計画や新規計画に携わっている中で、時たま、出くわすのが「自然環境」と「立地景観(宿泊景観)」とを同じ要素として考えてしまっている旅館などの運営者の方々です。

景色

 

◆旅館の室内(客室・お風呂など)から見える景色≪景観≫が大切。

・こうして文字にしてしまえば、当たり前のこと・・と誰しもが思うのですが、実際に旅館の空間を見てみると、「景観」が正直良くないにもかかわらず、旅館の室内空間から、外部の自然環境と一体化させよう・・開放感を高めよう・・といった空間造りをしている場所も多々存在しています。

これは、「自然環境」と「景観」を区別することなしに、空間づくりをしてしまったのだと思われます。

例えば

旅館そのものは、雄大な山々を背景とした場所に建っているとしましょう。旅館の自然環境としては実にすばしらいものと考えられます。旅館全体を外部から眺めたときには、その自然環境の良さが十分に感じられるのでしょう。

しかし。室内空間からは「方角的」もしくは「山全体を見上げることができない状況(庇などで遮蔽)」となってしまうケースもとても多いものです。

そういう状況にもかかわらず、「旅館の立地条件・自然環境がずはらしい」ということに捉われすぎてしまうと・・実際に室内から見える景色≪景観≫への意識が薄れてしまって、ついついそんな景観にもかかわらず、「外部開放型」のつくりとしてしまい、宿泊客にとって「減点の印象」を与えてしまっていることもあるのです。

 

そこで日々生活している人にとっては、「自然環境」の印象が強いものの、初めて(たまに)訪れる宿泊客にとっては、室内からの「景観・景色」のほうが大切なのです。

 

ゆえに、まずは現在の立地環境にて、「自然環境」と「景色」とをしっかり分けて意識した上で、改装計画を策定していくことが第一歩となるのです。

 

******

 

■「自然環境融合型」か「内部環境創造型」かの判断

・宿泊客に好かれる宿となるためには、「中途半端」なものを提供してしまわないように心がけることが大切です。サービスを提供する側としては、ついつい様々な要素の≪良いところ≫はなるべく多く提供しよう・・としてしまいがちですが・・逆にその思想は、それぞれの良さを薄めてしまうという結果になることも多々あるのです。

「1+1」が「2」とならず・・「0.8」となってしまう場合もあるのです。

これは旅館の改修計画を考えることに照らし合わせると、コストを倍かけて、2つの要素を実現したばかりに結局は成果としては「0.8程度」のものしか得られなかった・・そういうことになってしまうわけです。

 

そこで一番初めに「改修計画の方針」として定めておきたいこと、それが・・。

 

「自然環境融合型」とするか「内部環境創造型」とするかをきめること。

 

その判断基準は最初に述べた、「景観」の要素の有無で判断したいと思います。室内からの良き「景観」が多く確保できる環境であるのならば、「自然環境融合型」。

逆に「景観」が期待できない環境であれば「内部環境創造型」とすることをおすすめします。

 

もちろん、「自然環境融合型」へ現状を転換したいということも十分考えられますが、基本的には「旅館の立替」など新築計画かもしくは、大規模な改修を前提とした場合の方法と認識しておいていただければと思います。

 

 

◆1−1) 自然環境融合型とは

◆1−2) 内部環境創造型とは

 

 

 

----------          ----------

.................................................

温泉旅館

 

 

 

◆旅館改修計画のポイント

1)自然環境活用の可否

1−1.自然環境融合型
1−2.内部環境創造型

2)内装計画の要点

3)内装イメージ(理念)の種類

4)空間構成の組み合わせ

5)計画提案・設計の料金など


 

 


お問合せ |


〒215-0011 神奈川県川崎市麻生区百合丘3-22-2-306 バウムプランニング一級建築士事務所

- copyright(c)2006 baumplanning -